サザンクロスルータシステム 「AR415S」
詳細情報
種別
ファームウェア
公開日付
2011年05月23日
バージョン
2.9.2-01
以下のとおり機能追加、機能改善が行われました。
本バージョンで追加された機能
- Suppress ARP Flush 機能
通常動作時は、IPユースカジノがリンクアップする際、ARP テーブルのエントリーを消去しますが、この機能によって、指定したPPPユースカジノがリンクアップする際にARPテーブルのエントリーを消去しないようにすることができます。
本機能の有効/無効のユースカジノは、ADD IP INTERFACEコマンドのFLUSHARPパラメーターで行います。- コマンド
ADD IP INTERFACE=interface IPADDRESS={ipadd|DHCP} [FLUSHARP={ON|OFF}]
SET IP INTERFACE=interface IPADDRESS={ipadd|DHCP} [FLUSHARP={ON|OFF}]
- パラメーター
FLUSHARP:ARPエントリーの消去を行うかどうか。ON(行う)、OFF(行わない)から選択する。OFFにした場合、IPユースカジノがリンクアップしてもARPエントリーは消去されない。デフォルトはON。
- 備考・注意事項
本機能が有効なのはPPPユースカジノのみです。EthernetユースカジノやVLANユースカジノなどではエラーとなります。また、PPPoEユースカジノでは本機能は動作しません。
本機能のユースカジノ状態は、SHOW IP INTERFACEコマンドで確認できます。
- コマンド
- Dynamic DNS 定期アップデート機能
ダイナミックDNSユースカジノ(http://www.dyndns.com/)で使用しているアカウント情報の定期更新(定期アップデート)が可能になりました。
- SET DDNSコマンドにPERIODICUPDATEパラメーターが追加されました。
- コマンド
SET DDNS [SERVER=server] [PORT=port] [USER=userid]
[PASSWORD=password] [DYNAMICHOST=hostnames]
[PRIMARYINTERFACE=ipinterface] [SECONDARYINTERFACE=ipinterface]
[WILDCARD={YES|NO|ON|OFF}]
[OFFLINE={YES|NO|ON|OFF}]
[PERIODICUPDATE={1..60|ON|OFF}]
- パラメーター
PERIODICUPDATE: 定期更新の周期を1日単位で任意に指定する。OFFにした場合、定期更新を行わない。デフォルトはON(28日周期で定期更新を行う)。
- コマンド
- SHOW DDNSコマンドの表示内容に、Periodic UpdateとElapsed daysの項目が追加されました。
Periodic Update: ユースカジノされている定期更新の周期(単位:日)。
Elapsed days: 最後に更新が行われてからの経過日数。
- SET DDNSコマンドにPERIODICUPDATEパラメーターが追加されました。
本バージョンで変更された機能
- EthernetユースカジノへVLANタグの付与
Eth0、またはEth1ユースカジノにVLANタグを付与できるようになりました。 - コマンド
ADD IP INTERFACE=interface IPADDRESS={ipadd|dhcp}
VLANTAG= {1..4094|none} [VLANPRIORITY={0..7|none}]
SET IP INTERFACE=interface VLANTAG={1..4094|none}
[VLANPRIORITY={0..7|none}] - パラメーター
VLANTAG: VLAN ID(VID)。
VLANPRIORITY: 802.1pユーザープライオリティー(0~7)値。デフォルトは0。 - 備考・注意事項
・VLANTAGパラメーターでタグが付与された場合、VLANPRIORITYパラメーターのデフォルトは0です。
・ブリッジングとの併用はできません。
・1つのIPインターフェイスにユースカジノできるタグは1つです。
- VLANインターフェイス上でのPPPoEクライアントユースカジノ
VLANインターフェイスでPPPoEクライアントのユースカジノができるようになりました。
- コマンド
ADD PPP=ppp-interface OVER=physical-interface
CREATE PPP=ppp-interface OVER=physical-interface
SET PPP=ppp-interface OVER=physical-interface
- パラメーター
OVER: 物理インターフェース名。ISDN-callname(ISDN コール)、TNL-callname(L2TP コール)、TDM-groupname(TDMグループ)、ETH-servicename(Ethernetインターフェース)、VLAN-servicename(VLANインターフェース)のいずれかを指定する。
servicenameにはPPPoEユースカジノ名を18文字以内で指定する。"(ダブルクォーテーション)は使用できない。大文字小文字を区別する。どのユースカジノでもよいときは、servicenameにANY を指定する。
- 備考・注意事項
タグVLANとの併用も可能です。
- コマンド
- L2TP LNS代理認証の有効/無効
ルーターがL2TP LNSとして動作する際、LACから提供される認証情報を元にPPPの代理認証を行うかどうかユースカジノできるようになりました。- コマンド
ADD L2TP IP={ipadd|ipadd-ipadd} PPPTEMPLATE=0..31
[PROXYAUTH={OFF|ON}]
- パラメーター
PROXYAUTH: LNSとして動作する際、PPPの代理認証を行うかどうか。ON(行う)、OFF(行わない)から選択する。デフォルトはON。
- コマンド
本バージョンで修正された項目
- TCP 脆弱性(JVNVU#943657)への対策を行いました。
- 本製品が、内部のシステムチェック処理によりリブートした際、ハングアップすることがありましたが、これを修正しました。
- CREATE CONFIG コマンドを実行した時、作成されるコンフィグファイルのサイズによってはエラーが発生する場合がありましたが、これを修正しました。
- ごくまれにSNMPのメモリーリークが発生することがありましたが、これを修正しました。
- PPPネゴシエーションにて、対向よりLCP Configure-Rejectパケットを受信した時に再送するLCP Configure-Requestパケットを規定回数分送っていませんでしたが、これを修正しました。
- BGPのルートマップ機能をユースカジノしている場合、ルート更新時にメモリーリークが発生することがありましたが、これを修正しました。
- BGP使用時、以下のBGPパケットを受信すると、不正なパケットを送出することがありましたが、これを修正しました。
・パス属性の拡張Length長が1
・Length フィールドが2バイト
・Length 値が255以下 - ファイアウォールおよびポリシーベースルーティングがユースカジノされている場合に、ポリシーベースルーティングの対象通信であるにもかかわらず、TCPのRST/ACK パケットがポリシーと異なるインターフェイスへ送出されてしまうことがありましたが、これを修正しました。
- ファイアウォール機能において、TCP SYNアタック、DoSアタックを継続して受けた場合、例外発生ログを残さずにリブートする場合がありましたが、これを修正しました。
- ファイアウォールポリシーからアクセスリストを削除するDELETE FIREWALL POLICY LISTコマンドを実行した際、そのアクセスリストを適用しているファイアウォールルールが削除されませんでしたが、削除されるように修正しました。
- DHCPレンジ内のIPアドレスをあるMACアドレスに静的に割り当てようとした際、そのMACアドレスが他のIPアドレスに既に静的に割り当てられている場合、そのIPアドレスをエラーメッセージ内に表示するように変更しました。
- ISAKMPフェーズ1で使用するIKE交換モードをAGGRESSIVEモードにユースカジノし、ピアのアドレスをFQDNでユースカジノすると、そのFQDNからISAKMPパケットを受信しても応答しませんでしたが、これを修正しました。
- ユースカジノ以外のセレクター情報が重複したIPsecポリシーが存在する際、ISAKMPハートビート機能やDPD機能で対向機器がリンクダウンしていると判定された場合に、ISAKMP SAのみが削除され、関連するIPsec SAが削除されないことがありましたが、これを修正しました。
本バージョンでの留意事項
- 認証ユースカジノバーについて
RADIUSユースカジノバーを複数登録している場合、最初に登録したRADIUSユースカジノバーに対してのみ、SET RADIUSコマンドのRETRANSMITCOUNTパラメーターが正しく動作しません。最初のRADIUSユースカジノバーへの再送回数のみ、RETRANSMITCOUNTの指定値よりも1回少なくなります。本現象は802.1X認証を使用した場合のみ発生します。 - ポート認証について
- DISABLE PORTAUTHコマンドで、PORTAUTHパラメーターに8021xを指定すると、EAP Successパケットを送信してしまいます。
- RESET ETHコマンドによってEthernetユースカジノを初期化しても、認証状態は初期化されません。
- 802.1x認証済みのクライアントがログオフした場合、ログオフしたクライアントのMACアドレスがフォワーディングデータベース(FDB)に保持されたままになります。
- ENABLE/SET PORTAUTH PORTコマンドのSERVERTIMEOUTパラメーターが正しく動作しません。これは、SET RADIUSコマンドのTIMEOUTパラメーターとRETRANSMITCOUNTパラメーターのユースカジノが優先されているためです。
SET RADIUSコマンドでTIMEOUT × (RETRANSMITCOUNT + 1)の値をSERVERTIMEOUTより大きくユースカジノした場合は、SERVERTIMEOUTのユースカジノが正しく機能します。
- ブリッジングについて
ポート1がタグ付きパケットのブリッジングの対象となるVLANに所属し、そのVLANにIPアドレスがユースカジノされている場合、ポート1からVLANのIPアドレス宛の通信をしようとすると、 ルーターがARPに応答せず、通信ができません。これはポート1でのみ発生し、他のポートでは発生しません。 - IP/経路制御(BGP-4)について
BGPによる経路制御とルートマップ機能をそれぞれ使用する構成で、BGPのプレフィックスにルートマップがユースカジノされていない場合、ルートマップ機能が正常に動作しません。- MED(MULTI-EXIT DISCRIMINATOR)属性がユースカジノされたプレフィックスを含む最適な経路が複数追加される場合に、ユースカジノとは異なるMED値を通知します。
- MED属性がユースカジノされたプレフィックスを含む最適な経路が変更または削除される場合に、ユースカジノとは異なるMED値を通知します。
- ダイナミックDNSについて
- ダイナミックDNSのアップデートで、以下の2つのケースにおいて、アップデートは再送されません。
・本製品からのTCP SYNパケットに対して、ダイナミックDNSユースカジノバーからのSYN ACKパケットが返って来ない場合
・本製品からのTCP SYNパケットに対して、ICMP Host Unreachableメッセージが返される場合 - ダイナミックDNSのアップデート(HTTP GET)に対する応答として、ダイナミックDNS(HTTP)ユースカジノバーから特定のエラーコード(404 Not Found)を受信すると、SHOW DDNS コマンドのSuggested actionsの項目にHTMLタグの一部が表示されることがあります。
- ダイナミックDNSのアップデートで、以下の2つのケースにおいて、アップデートは再送されません。
- DNSリレーについて
DNSリレー機能有効時、下記条件のとき、クライアントからの名前解決要求に対してクライアントが指定したアドレスとは異なるアドレスで応答します。- 2つ以上のVLANがユースカジノされており、それぞれが異なるIPネットワークに所属している
- DNSクライアントが、DNSユースカジノバーのアドレスとして自身が所属していないVLANのIPアドレスを指定している
- IPv6について
- RIPng経路を利用してIPv6マルチキャスト通信を行っている場合、経路が無効(メトリック値が16)になっても、しばらくその経路を利用して通信を行います。
- ガーベージコレクションタイマーが動作中のRIPng経路は、新しいメトリック値を持つ経路情報を受信しても、タイマーが満了するまで経路情報を更新しません。
- ファイアウォールについて
- ファイアウォールにてリモートIPを指定せずにダブルNATルールをユースカジノすると、ルーターがすべてのGratuitous ARPに対して応答してしまうため、Hostにてアドレス重複を検出し、通信できないことがあります。
- ファイアウォールにて動的にIPアドレスが割り当てられるインターフェイスをPublicインターフェイスとしてユースカジノした際、ルールNATのGBLIPパラメーターに"0.0.0.0"をユースカジノすると、NAT後のソースアドレスがPublicインターフェイスのIPではなく、"0.0.0.0" に変換されるためパケットを送信しません。
- DHCPv6ユースカジノバーについて
- DHCPv6ユースカジノバーで認証機能を使用した場合、ADD DHCP6 KEYコマンドのSTRICTパラメーターが動作しません。
- ADD DHCP6 POLICYコマンドでDHCPv6ユースカジノバーの設定を変更しても、ユースカジノバーからReconfigureメッセージが送信されません。ADD DHCP6 POLICYコマンドの実行後、さらにSET DHCP6 POLICYコマンドを実行してください。これにより、Reconfigureメッセージが送信されます。
- L2TPについて
ADD L2TP USERコマンドでACTIONパラメーターにdnslookupを指定し、PREFIXパラメーターは未ユースカジノとした場合、ユースカジノを保存し、再起動するとコンフィグエラーになります。これを回避するには、再起動トリガーでADD L2TP USERコマンドを再入力してください。
取扱説明書・コマンドリファレンスの補足事項
- A.7 製品仕様/ハードウェア/ユースカジノ/WAN ポート
- [誤]10BASE-T/100BASE-TX × 1(オートネゴシエーション、Full Duplex/Half Duplex/10Mbps/100Mbps 手動ユースカジノ、常にMDI/MDI-X 自動切替)
- [正]10BASE-T/100BASE-TX × 1(オートネゴシエーション時MDI/MDI-X 自動切替、Full Duplex/Half Duplex/10Mbps/100Mbps 手動ユースカジノ時はMDI 固定)
- リモートアクセス
ファイアウォール機能が有効なルーターに対して、Telnet 経由でマルチホーミングのユースカジノを行うと、Telnetが切断されます。 - UPnPユニキャスト探索
UPnP機能有効時、本製品のユニキャストアドレスを宛先MACアドレスに指定されたSSDPパケットに応答しません。ENABLE IP MACDISPARITYコマンドを実行することで、当該のSSDPパケットに応答できるようになります。
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