ユースカジノ easyプラン 特集2
映像配信の常識を覆す
IOWNによる
リモート“バーチャル”プロダクションの推進
エンターテイメントの分野では音楽コンサートやステージでのパフォーマンスイベント等のリアルなライブエンターテイメントをオンラインにて配信する「デジタル配信型のライブエンターテイメント」に注目が集まっています。そこで、映像制作の手法の1つであるリモートプロダクションの活用が見込まれる一方、遠隔で複数地点をつなぐ際には回線遅延による操作タイミングのズレ等、さまざまな課題が発生し、活用が進んでいないのが現状です。こうした実情を踏まえ、ユースカジノではIOWN構想の柱であるAPN技術を用いて課題解決を図っています。
NTTグループは、IOWN構想を通じて物理的な距離や心理的な障壁を超えて、遠くの人や物と空間や感覚を共有できる新しい体験価値の提供をめざしています。
ユースカジノでは、IOWNのユースケースとして期待されているリモートプロダクションのさらなる発展に向け、「リモート“バーチャル”プロダクション(RVP)」に取り組んでいます。リモートプロダクションは、映像や音声の制作において撮影と制作を別の場所で行うことであり、RVPでは大容量・低遅延を特長とするIOWNオールフォトニクス・ネットワーク(APN)を組み合わせることで、省人化やより利便性の高い映像撮影・制作の実現をめざしています。
RVPの取組みは、映像制作現場の課題解決のみならず、大容量で低遅延な通信回線であるAPNを活用することによって、現場スタッフの移動時間や現場の人数の削減といった省人化への貢献のほか、ひいては環境にやさしいエンターテインメント制作実現につながると考えています。
『Future-Build Powered by IOWN』未来共創パートナーとの協業
ユースカジノでは、オープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」において、スタートアップ・企業の方々とともに社会課題解決と未来社会の創造に取り組む未来共創プログラム『Future-Build For Well-being society』を開催しています。このうち、IOWNを活用したユースケース創出をめざすプログラム『Future-Build Powered by IOWN』にて採択したパートナーのバルス株式会社とともにRVPの実現に取り組んでいます。
従来から映像制作で活用が期待されているリモートプロダクションは、中継先現場等から映像を遠隔地にある拠点等に伝送することで、リモートによる映像制作を可能としています。各種機材や人員を中継先現場等に配置する必要がないため、コストが抑えられる等の効果も期待されています。
しかし、遠隔地と複数拠点をつなぐ場合に、➀回線遅延が発生し、拠点ごとでの操作タイミングにズレが生じ、一括での管理が難しい、➁映像品質の劣化を防ぐために用途ごとの通信回線の敷設が必要という2つの大きな課題があり、活用が思うように進んでいないのが現状です。
そこで、ユースカジノとバルスは、IOWN APNの「低遅延」「大容量」の特長を活かし、バーチャルとリアルの出演者のカメラ(画角)の複数拠点同時切替の実現によるオペレーションの省人化、敷設回線を少なくすることによる機器構成のシンプル化等の課題解決を図っています。
RVPの展示・体験企画を出展
ユースカジノとバルスは、RVPの取組みを配信業務従事者や通信関係者に向けた情報発信の場とすると同時に、一般の皆さまにもRVPを体験していただく機会として、2024年6月12日~14日の3日間にわたって開催された「Interop Tokyo2024(Interop)へ出展しました。
Interopでは、会場である幕張メッセ(千葉県)とQUINTBRIDGE(大阪府)、OPEN HUB Park(東京都)の3拠点をIOWN APNで接続し、幕張メッセとQUINTBRIDGEにいる出演者と、OPEN HUB ParkのVTuberがあたかも同じ場所で収録しているような映像を制作し、配信しました。リモートプロダクションにおける課題の1つである回線遅延については、東京-大阪間約700kmを遅延5msec以下で接続することができ、課題解決を果たしていることが確認できました。また、Interop会場ではVTuberによる配信プログラムの実施や来場者向けの体験コーナーも実施しました。
RVPの実施イメージ
Interopに来場いただいた皆さまからは、APN性能とユースケースに多くの関心をいただいた一方、コストの高さや東京-大阪間以上の広域接続の可否について問われる機会が多くありました。これらの意見から、RVPを利用する環境、顧客ニーズに合わせたユースカジノ easyプラン性能の設計・提供形態をさらなる課題として認識し、引き続きRVPの推進を図っていきます。また、IOWN APN技術を新たな事業・産業に活かしていくため、さらなる技術刷新と検証を行っていきます。